白血病の基礎知識

臍帯血移植

臍帯血(さいたいけつ)移植とは、新生児のへその緒から血液を採取し、それを移植する方法です。

臍帯血に白血病を治すに十分な造血幹細胞があるとは信じ難い話なのかもしれませんが、1980年代前半に臍帯血に造血幹細胞が含まれていることがわかり、1988年には実際に臍帯血を使った移植手術が行われました。

さい帯とは、胎盤と胎児を繋ぐものでそこには血管が走っています。

そして、そこから採取できる血液が、臍帯血です。

臍帯血の採取は、産後、さい帯と新生児が切り離される時に行われます。

その際に胎盤も摘出し、その後臍帯血を採取します。

つまり、全ては産後に行われるので、母・子共に全くリスクを負うことなく、臍帯血を採取することが可能なのです。

臍帯血移植の場合、HLAが必ずしも一致している必要がないので重要が多く、現在日本では90~95%の白血病患者に提供され、世界で最も臍帯血移植の多い国として知られています。

そして、HLA不一致でも移植可能ということは、臍帯血移植における最も大きなメリットになっています。

そのほかのメリットとして、ドナー側のリスクがないこと、GVHDのリスクが少ないことが挙げられます。

主なディメリットは、患者の造血回復が遅い傾向にあることです。

また、ドナー側の遺伝的疾患まで伝播する可能性があり、移植を受ける際には、やはりメリットとディメリットの比較・検討が必要です。