白血病の基礎知識

慢性リンパ性白血病(CLL)

慢性リンパ性白血病(Chronic Lymphocytic Leukemia, 通称「CLL」)は、「Bリンパ球」と呼ばれるものががん化し、増殖する疾患のことです。

リンパ球は白血球の一種であり、リンパ球は更に「Bリンパ球」「Tリンパ球」「ナチュラルキラー細胞」に分類されます。

Tリンパ球は、異物の情報を伝達し、また異物に抵抗する働きを助ける役割をします。

ナチュラルキラー細胞は、ウィルスに感染した細胞を攻撃します。

そして、Bリンパ球は細菌やウィルスと結合し、それらを除去するための抗体を作る役割を持っているので、リンパ球の主な働きは、免疫能力の形成ということになります。

慢性リンパ性白血病では、Bリンパ球が通常の血液の中で異常に増加し、そのために赤血球や血小板が作られる余地がなくなります。

診断基準は、血中のリンパ球の数が1mm3中5,000個以上かどうかです。

これを上回れば、慢性リンパ性白血病の疑いがあります。

この白血病は、欧米人の中では非常に多く、白血病患者全体のうち、25%~30%の割合を占めるのですが、アジア人には比較的稀で、白血病患者全体の約1~3%の発症率です。

白血病は、その発症の原因、メカニズムがいまだ解明されておりませんが、慢性リンパ性白血病には遺伝的要因がある可能性が指摘されており、家族に同じ病歴がある人は、比較的発症率が高くなるといわれています。