白血病の基礎知識

抗体療法

抗体療法は、特定の分子を標的とした治療法で、比較的新しい白血病の治療法です。

この治療法は、主に化学療法や放射線療法に限界のある患者に適用されます。

現在、化学及び放射線療法での寛解導入成功率は80%程度です。

つまり、化学及び放射線療法がうまくいかない患者もいるのです。

これらの治療がうまくいかない理由の一つとして、体が薬物に対して抵抗性(薬剤耐性のメカニズム)を獲得し、薬が効かなくなることが挙げられます。

抗体療法では、がん細胞のみを攻撃するような仕組みを利用し、薬物を投与して寛解に導きます。

薬を使うという点で、化学療法と類似するところはあるかも知れませんが、化学療法の場合では、健康な細胞まで破壊してしまうリスクが伴います。

抗体療法ではそういったリスクはなく、あくまでがん細胞をターゲットにしているので、副作用も少ないといわれています。

抗がん剤によって抵抗性を獲得する患者にも適用され、化学療法及び放射線療法で寛解に至らなかったケースでも寛解導入成功に導くことのできる治療法なのです。

但し、臨床実績がまだまだ少ない治療法でその可能性は未知数です。

そして、抗体療法で使う薬は遺伝子組換技術を使って作られているので、アレルギー反応を起こす患者もいます。

そのほか、遅発性の副作用として、発熱、寒気、だるさなどが出るケースがあることもリスクとして挙げられています。