白血病の基礎知識

急性リンパ性白血病(ALL)

急性リンパ性白血病(Acute Lymphoid Leukemia, 通称「ALL」)とは、リンパ芽球(白血球の一種)と呼ばれるリンパ系細胞ががん化し、成熟機能を失った状態で増殖する疾患です。

がん化した細胞は主に骨髄の中で増加しますが、血液として送り出されたあとも、無制限に増加を続けます。

骨髄で作られる細胞は、骨髄系とリンパ系を辿って全身に行き渡ります。

リンパ系とは、リンパ球を主成分とするリンパ液を運搬するネットワークのことです。

その運搬経路を辿る細胞ががん化するものが「リンパ性白血病」であり、がん化した細胞が骨髄系の経路を辿るものが「骨髄性白血病」です。

急性リンパ性白血病には、慢性骨髄性白血病と同じく、フィラデルフィア染色体が見られることがあります。

しかし全ての例で当てはまるものではなく、保有率は成人患者のうち4人に1人の割合です。

そして、フィラデルフィア染色体の有無により、治療法も異なっていきます。

急性リンパ性白血病の場合、がん化した細胞が脳や骨髄などの中枢神経に侵入しやすく、それにより強い頭痛や吐き気などの症状を引き起こします。

そして、がん化した細胞が増えれば症状も強く耐えがたいものになり、迅速な治療開始が求められるようになるでしょう。

子供も白血病にかかることがありますが、その場合多くはこの急性リンパ性白血病です。