白血病の基礎知識

小児白血病

小児白血病は、小児がんの一種です。

大人は骨髄性白血病になる割合が多いのですが、子どもの場合は急性リンパ性白血病になることが多く、その割合は小児白血病患者のうち80%になります。

発症率が最も高いのは、2歳~6歳くらいの子どもです。

小児白血病は、大人の白血病と比べると、その発症の割合は高いのですが、これは子どもの場合、臓器ががん細胞に侵されることが少ないからです。

大人は成長し、やがて体や細胞が老朽化する中でがん化が起こりやすくなっていきます。

そして、その多くは肺や胃などの臓器の表面から広がります。

子どもの体にはそのようなことはなく、骨や神経、血液などもっと体の根本的な部分が直接侵されることでがんが発症します。

ですから、子どもに白血病の割合が多いといっても、子どものがん患者そのものが少ないので、発症率に関してはさほど気にする必要はないでしょう。

小児白血病の発症率は、10万人に3人程度といわれています。

これは、人種及び性別による差は殆どなく、世界共通の数字です。

小児白血病を発症しやすいのは、染色体異常によってダウン症になっている子どもたちです。

ダウン症の子どもは、非ダウン症の子どもよりもその発症率が15倍も高くなっています。

2,30年ほど前までは小児白血病は「不治の病」でしたが、現在では7割~8割の子どもが治療に成功して、予後も順調に過ごせるようになっています。