GVHD(移植片対宿主病)
GVHD(移植片対宿主病)は、ドナーの幹細胞から新たに生まれた白血球が患者の体内で異物とみなされ、様々な症状を起こすことです。
この疾患には命に関わるものもあり、移植後の最も大きな苦しみになっています。
造血幹細胞移植では、移植を受けた後、新たに健康な血液が生成されるようになるまで感染症などを防ぐために無菌室で過ごします。
そして、早ければこの間にGVHDは発症します。
その発症のメカニズムはいまだに不明ですが、体はもとから異物に対して拒絶反応を示したり、抵抗したりするものです。
そう考えると、健康な細胞であっても、それを体内で悪いように理解され、攻撃されてしまうのは想像に難くないでしょう。
GVHDには、移植後100日以内に発症する急性GVHDと、移植後3ヶ月以上経ってから現れる遅発性のGVHDがあります。
主な急性GVHDは移植後1~2週間で現れるものがあり、予防のために免疫抑制剤やステロイド剤が投与されます。
遅発性のものは予防しきれず、症状が出てから治療することになります。
移植を受けた患者に対し、新しい血液造血システムが何かしらの障害を起こすことは当たり前のことで、そういう意味では、「患者なら誰もが通るべき道」という軽い解釈でいいのかもしれません。
しかし、急性GVHDの場合では重大な臓器障害を引き起こす可能性もあり、予後慎重に対応しなくてはならないのです。
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